この絵は、滝が多く滝野川と呼ばれた石神井川の不動滝を描いたものである。江戸の郊外に位置する王子、夏、ここに涼みに来る人が多かったのだろう、滝浴みをする人、御茶を出す人などが見える。それにしても華厳の滝並みの迫力ある滝だ。
室町時代、大和国に学仙坊という不動尊の祈祷を修行する僧侶が、霊夢を見て東国の滝野川の地を訪れ、庵をむすんで正受院を草創した。この年の秋、石神井川が増水したが、水の引いた川から不動の霊像をすくいあげた。学仙坊は、これを不動尊修法の感得した証と喜び、滝の傍に安置した。この滝が不動の滝と呼ばれる由縁である。
安政5年(1858年)の地図
江戸も王子の辺りになるとかなりの郊外だった為、地図もいい加減である。かろうじて、ランドマークは拾える。飛鳥山、王子権現(神社)、金剛寺が見える。
現在の地図
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金剛寺の脇にある紅葉橋から石神井川北岸を石神井川沿いに東に向かい王子神社に続いている道は、古地図にも見える。この道は江戸からある古道であろう。
赤ポイントが不動滝推定位置、正受院の裏手、石神井川南岸にあった。広重は、対岸となる北岸に立ち、描いたものと思われる。
そこでの写真
滝は勿論無い。コンクリート護岸で味も素気も無い。が、崖の感じは伺える。
以上

